History

『凧あげ大会』の歴史と願い

「京都こどもてづくりたこあげ大会」は、私たち学童保育の関係者と、地域の子ども会を組織している京都少年少女センターが中心となって行ってきたもので、毎年2月の日曜日を選んで市内を流れる加茂川の河川敷(第10回からは嵐山東運動公園)で開かれています。第24回大会は嵐山東運動公園の改修工事のため急遽桂川緑地公園で行いました。もともとこの大会は、京都市の学童保育連絡協議会の中でそれまで行っていた運動会に代わるものとして、計画されました。学童保育や児童館にふさわしい、冬でもできそうな行事ということから「冬なら凧」「それも市販のものではなく手づくりの物」という案がまとまったことが出発点となっています。

それまでにも一つ一つの学童や児童館で、凧作り、凧あげが行われているところもありましたが、季節的な取り組みとして一時的に行われるだけで、こうした全市的な規模での大会は、非常に新鮮なものとして受け止められ、それぞれの中でも実践の目標として大きく位置づけられてきました。

 これをさらに大きくひろげ、「どうせやるのだったら京都の子ども全員を対象にしたでっかい取り組みを」と、凧あげを通じて地域の子どもたちに遊びの文化を伝え、子どもを育てる大人の集団を作っていこうという素晴らしい意義づけがなされスタートしました。

 大会に向けた実行委員会には少年少女センターをはじめ、学校関係や子どもに関係する様々な組織も参加してもらい、持っている経験と力を持ち寄って準備が進められました。

 こうした努力が実ってか、大会当日は天候にも恵まれ、5、000人が参加。中には100以上の連凧をあげた学童保育所の子どもたちや、糸を3、000メートル以上も繰り出し、途中で切れてしまった女の子があらわれるなど、凧揚げの楽しさを満喫した1日となりました。また、参加者である地域の消防団の方々がそろいの制服を来て大凧を持ってこられたり、友達と一緒に来て凧をあげる地元の子どもたちがいたり、孫の手をひいたおじいちゃんやおばあちゃんの姿も見られたりと、大変にぎやかなものになりました。地元のラジオ局が途中から取材に来るなど、私達が想像していた以上の大きな成功を収めました。(第5回大会当時)

 私たちは凧づくりを通して、子どもたちに「ものを作るよろこび」や、それにともなう知識・技術といったものを伝えてきました。そして、この大会で「凧をあげる楽しさ」「みんなで一緒に取り組む大切さ」を教えていこうとしています。同時に父母や指導員達に向けても大会を運営するだけに終わるのではなく、この大会をきっかけにして「凧を作れる大人」「凧の楽しさを知っている大人」をどんどん増やし、家庭や地域に伝統文化である凧の輪を拡げてもらえるようにという願いも持っています。

 京都市内でも開発がすすみ、子どもが元気に遊ぶ場所はずいぶん少なくなってきています。まして、凧があげられるような広場や畑はほとんどありません。広いグラウンドはあっても野球場などで、子どもが自由に遊べるところではありません。子どもたちが元気にのびのびとあそべる場所、そして、凧が自由にあげられるような環境を、私たち大人の責任で作らなければならないと思います。

 凧はもともと、それに様々な願いを託してあげられたものだそうです。子どもたちよ元気に育てという親たちの願い、平和であれという人々の願い、そういったものを凧に描いて大空に舞い上げたのでしょう。 私たちも、「つくろうすみよいまちを、ひろげよう子育ての輪を」というたこあげ大会のスローガンのもつ意味をもう一度考えながら、これからも大きく夢をひろげていきたいと思います。